レビュー

【73点】モナークは決してクソゲーではない! 序盤を耐えた先の良質な体験 モナーク/Monark レビュー・感想

タイトル(かな) もなーく
ハード PS4,PS5,switch,PC
発売日 2021年10月14日
点数 73点(良作)
総評 ・序盤はかなりプレイし辛い
・中盤以降劇的に面白くなる
・難易度は高め


↓レビュー動画 ぜひ見てください!


序文

筆者がモナークを知ったのは発売から数か月前、Twitterのプロモーションであった。アトラスの「女神転生」シリーズが好きな筆者にとっては、「メガテン・ペルソナライク」なゲームとして前評判が高かった本作は大いに興味をそそられるものであり、かなり期待値の高いゲームとなっていた。

まっさらな気持ちで楽しみたかったため特に情報収集をすることなく本作を購入したのだが、そのクオリティには良い意味・悪い意味双方で大いに驚かされ、非常に記憶に残るゲームとなった。

本作は、後半に向けて尻上がり的に面白くなるゲームであったため、いつもの記事と異なり、まず問題点を紹介し、その後評価点を紹介する、という形式でレビューしていきたい。

本レビューでは、「モナーク」の感想・評価・筆者の感情を揺さぶった様々な要因について、余すところなく伝えていく。
他記事と同様、ネタバレ注意である。未プレイの方は十分にご注意いただきたい。
なお、特に強調したい点には、★マークを見出しに付している。

問題点

★期待水準を下回るグラフィック

本作はお世辞にもグラフィックが美しいとはいえない。現行機(PS4,PS5,switch)に期待される水準に達しているとは言い難い。
so-bin氏の手がける2Dイラストが非常に美しいのに比べ、ゲーム画面でのキャラクターは「これ本当に同一人物か?」と思えるような3Dモデルであり、質感も丸みを帯び、やたら光沢があって、さながらニスを塗った粘土のような質感だ。

かなり3Dモデルや背景グラフィックのクオリティは低い。画面左下、2Dイラストは良いのだが

また人物以外にも、背景などもやたらと簡素である。異界はドラゴンボールの「精神と時の部屋」を彷彿とさせる作りでどうにも殺風景で、宙に浮かぶオブジェクトの「溶け込んでいない」感じがどうにも不自然でシュールである。

虚無を演出しているというようには見えない

さらにムービーに至っては動きも含めてPS2~PS3の間くらいのクオリティであり、ムービーにありがたみが全く感じられない。

本作のムービーで最も脱力したシーン。バイオ1でももう少し迫力があった


この「モナークのグラフィックがひどい」という点を巡り、様々な意見が見られた。筆者のように否定的に見る意見もあれば、擁護する意見も多く見られた。しかし共通して言えるのは、否定派・擁護派共に「グラフィックが良くはない」という点の認識では共通しており、あとはそれを気にするか否かは個々のプレイヤー次第であるといえよう。以下、筆者の所感を述べておく。

  • 「グラフィックの良し悪しはゲームの評価とイコールにならない」という意見がある。確かに筆者も同意するが、本作のそれは2021年の最新ハードにおけるゲームとして明らかに見劣りするものであり、あるいは他の多くのゲームに見られるように「演出の一環として、意図的にこういうグラフィックにしている」という印象は受けず、ただただマイナス面の印象をユーザーに与えている。
  • 「この開発元にしては頑張っている、前作よりは良くなった」という意見もみられるが、それは「開発元が成長していることへの評価」であり、「ゲームへの評価」ではない。比較するなら、同じ開発元の過去作品とではなく、同時期に発売したJRPGとの比較をすべきである。例えば、発売日の近い「テイルズオブアライズ」でもいいし、Switchならば「ゼノブレイド2」とでもいいだろう。ちなみに後者は2017年のゲームである。
  • 「グラフィック批判をしては中小ゲームメーカーやインディーズがゲームを作れなくなる」という意見がある。しかし、現行ハードでフルプライスでの販売をしている以上、「値段相応」を求められることは当然であり、また購入したものを正当に批評することは、消費者としての権利である。

グラフィック自体はいつか慣れるものではあるのだが、ゲーム開始直後に分かりやすいインパクトとして目に飛び込んでくるこのグラフィックがプレイヤーに与える影響はすさまじく、ここで萎えさせてしまう原因をひとつ作ってしまっているのが残念な点である。

2Dイラストはこの通り、美麗ですばらしいのだが…

★聴覚に頼りすぎている演出

また、演出面もやや残念である。本作のカットシーンは「動き」のある演出を全く作れていない。

  • 例えば、「人をかばう」「相手に攻撃する」などのシーンでは、直接かばったり殴ったりするシーンが描写されるわけではなく、画面が真っ白にホワイトアウトして、次の画面で登場人物が攻撃を受けて倒れている、というような紙芝居的手法で表現されているので、派手なアクションシーンなどを本作のカットシーンに期待してはいけない。イラスト&ボイスつき小説だと思ってプレイする必要がある。
  • 基本的にプレイヤー会話時は棒立ち、その時話している人物以外は同じモーションで静止しているので、さながら学芸会で一人ずつ順番にセリフを話しているような印象を受ける。

前述のグラフィック面と関連し、これらモーション・演出面も正直かなり厳しいものがある。それでも山場のシーンである程度の盛り上がりを確保できているのは、ひとえに声優さんの名演とBGMなどの聴覚的演出の賜物であり、グラフィック、モーションなどの視覚的演出はいま一つだ。

面倒な一部システム周り

また、本作は基本的にはテンポよく進められる作りとなっているのだが、一部要素についてはかなりのテンポの阻害要因となっている。

  • 一部謎解きについて、手に入るヒントメモがゲーム内の「マテリアル」に格納されないため、メモなどをとるか、スマホで撮影する必要がある
  • 同様に、手に入る狩庭の電話番号も、メモをとってゲーム内スマホで入力する必要があり不便
  • 眷属器および生徒一覧のソートができないorできても使いづらい
  • マップがワンボタンで開けない。また、建物ごとの全体マップが存在しない
  • 主人公は口数がそこそこ多い割に、話す内容をすべてプレイヤーが選択する必要があるので、テンポが悪くなる
  • 移動時に、後ろをついてくるバディをすり抜けられずに引っかかるため、教室などの狭い通路を走っているときにかなり邪魔

これら要素により、微妙にストレスを感じながらプレイすることになる点がやや残念である。

学生一覧。せめて50音順のソートくらいは欲しい。
セリフがひとつしかなくても選ぶ必要がある。面倒。

戦闘における不満点

戦闘においては概ね面白く、戦闘の魅力は後ほど「良い点」で存分に語りたいが、ここではまず戦闘における不満点を述べていきたい。

★ターン経過の仕様が分かりづらい

本作、バフやデバフの経過ターンの計測方法がスキルごとに統一されておらず、スキル「共感」や「リオーダー」と組み合わさった際に、「結局いつ効果が切れるのか」が、非常に分かりづらい。

  • 例えば、「覚醒」を共感した際は、全員でターン経過を共有しているような計測方法である。「残り3ターン」の表記なら、プレイヤーA,B,Cの行動1回ずつで効果が切れる。(つまり、1ターンの間に覚醒持ちが3回行動すれば切れる)
  • 一方、「広域精神発熱」などの範囲ステータスアップ系を共感した際は、同じ「残り3ターン」の表記だとしても、各人ごとにターン経過がカウントされているように思える。
  • さらに、スキル「共感」は、またそれらとは異なる方法でターン計測しているように思える。

…と、正直60時間クリアした今でもよくわからない。
というのが正直な感想であり、よくわからんけど切れそうだからかけ直ししとくか…くらいのレベル感で進行していってしまった。たぶん筆者だけじゃないと思う。たぶん。

残りターンを見ることはできるのだが、そのターンの計測がわかりにくい
初見での理不尽死が多い

特に第二部あたりからが顕著。本作は敵の使用スキルなどを調べることができないので、いわゆる初見殺しが多く、主人公が死亡すれば即ゲームオーバーとなる仕様との相性が良くない。一戦闘にかかる時間が非常に長いシミュレーション形式のバトルのため、戦闘の終盤で初見殺しにあった場合の徒労感が半端なく、主人公を前線に置きづらい理由のひとつとなっている。

こういった問題点をSRPGの他作品ではどのように回避しているかというと、例えば「サモンナイト」シリーズでは敵を含めた各ユニットの使用スキルはわかるようになっているし、「ファイアーエムブレム」シリーズではターンごとにセーブできるような設計となっている。「モナーク」でもそれらのシステムを丸ごと流用すれば良いとはいえないが、何かしら担保するシステムがあった方が戦略の幅が広まったであろう。

★最終的にかなり大味になるバトルバランス

本作の独自システムはかなり面白く、「共感」「発狂」「覚醒」「発狂覚醒」「リオーダー」といったスキルが戦闘の戦略性を高めている。詳細は後述「良い点」参照。
しかし、最終的に行きつく先は、「全員で共感して範囲バフをかけて、能力の高い仲間を特攻させて無双」という大味なものであり、特に本作の象徴的システムである「発狂覚醒」などは、終盤ではほとんど息をしていない状態になっている。

それもこれも、共感して範囲バフを重ねがけすると共感中の全員に効果が重複する仕様のせいである。例えば、5人で共感して範囲バフをかけると、「5人全員」に「5段階」のバフがかかるのだ。なので、とりあえず範囲共感をして、PSY(魔力のようなもの)を高める「広域精神発熱」と、与えるダメージが二倍になる「不惜身命」をかけておけば大抵の敵は(というか、Lv99の裏ボスも)魔法1~2発で沈んでしまう。さらに高レベルのキャラを「リオーダー」で再行動させることもできるので、上記バフで能力を高めた高レベルのキャラが1~2名作っておけば残りのキャラは単なる共感&覚醒用の木偶に過ぎず、レベルを上げる必要がほとんどない。

この戦術ですべてが事足りるため、終盤は独自システムの発狂覚醒などがほとんど息をしていない点が非常に残念であった。

固まってバフをかけて突撃。ザッツオール。
★一部スキルのテキストが不親切


一部スキルには仕様なのかバグなのかよくわからない挙動があり、スキルの説明文からは読み取れない動きがいくつかあった。一例を紹介しよう。

「幽幻化」
・自身の姿を消し、敵に狙われなくなる。
・攻撃を受けるか、行動すると解除


上記「幽幻化」のスキルは、「行動すると解除」とあるが、幽幻化中に広域共感などのスキルを使用しても、なぜか効果が解除されない。
また、「敵に狙われなくなる」とあるが、第二部の舘戦などで、覚醒技が普通に主人公ひとりだけを目掛けて飛んできたりするなど(他のキャラを狙ったものを巻き込んだわけではない)イマイチ仕様に不明な点が多い。

このような明確に「これおかしくない?」となるものだけでなく、単にテキストが不自然で効果を誤認させるようなものなどもそこそこあり、使用にはかなり慎重を期す必要がある。

スキル「幽幻化」の説明。
★全軍共感中、あまりにも見づらい権能一覧


ゲームを通して一番ストレスが溜まったのがここである。
本作の特徴的なシステム「共感」を行うと、共感中のキャラクター間で使用できるスキルが共有されるのだが、6人全員で共感を行うことで6人全員のスキルが表示されるため、1キャラにつき100近くのスキルが使用可能になる。

この中から使用したいスキルを瞬時に選ぶことが非常に難しく、1画面に表示されるスキルの数はわずか5個なので、とにかく必死に探す必要がある。

さらに、ほとんどのスキルの名称は漢字数文字であるため一見して判別することが難しい。
正直いって、スキルが選びやすければ2時間くらいはプレイ時間が圧縮されていたと思われる。それほど本作のスキルは、終盤になるにつれて選びづらいものであった。

1度に5個しか表示されないスキルから、必死に探す必要がある
その他戦闘の不満点
  • 第一部中盤から目に見えて敵のステータスが上がるため、進行を中断して「稼ぎ」を行わないと勝負にならないバランスとなっている。幸い経験値稼ぎは比較的しやすいゲームであるが、ただでさえ長いゲームをさらに冗長にさせる原因となっている。
  • 戦いを選択する際に表示される「難易度」と、実際の「敵の強さ」が一致していない。
  • 狭い通路が多いわりに、味方をすり抜けられない仕様のため渋滞が起きることが多く、ストレスが溜まる

ということで、戦闘については粗がかなりあるといえよう。
ただし、それを加味した上でも感じる面白さがあり、そちらについては後述する。

戦闘におけるバディの存在意義が薄い

本作、主人公のほかに1人の人間キャラクター「バディ(相棒)」を選択することができるのだが、このバディの戦闘における存在意義がイマイチ薄い。

  • バディは章ごとに変わるので、せっかく育てたバディも次の章では別の人物に変わるため、最終章まで有効に使用できる機会が少ない
  • バディを育てるくらいなら、どの章でも常に一緒に行動できる眷属(モブ家来みたいなもの)を育てた方が遥かに効率がよく、経験値は眷属に優先的に振り与えることになる
  • ユニットとしての性能も、一部キャラクターを除きそこまで高いともいえず、だったら眷属でいいじゃん、となりがち
  • 眷属にはできないバディの能力としては、覚醒ゲージを溜める「決意」があるので、その意味で戦闘に加える意義はある。ただ、逆に言うとそれしかないので、バディはあまり経験値を与えられることがなく、後方で決意をして覚醒ゲージを溜めるだけの役割になりがち

である。例えば再加入の時はある程度まで勝手に強くなっていたり、そのような工夫があってもよかったのでは、と思う。あまりに活躍の機会が少なく、もうこれ全部眷属でいいじゃん、となってしまうのだ。

バディのひとり、舘。使いたいのだが機会がなかなか…。

微妙に腑に落ちない心理テストとエゴ診断

本作、ゲーム序盤の「エゴ診断」と、ところどころで発生する「心理テスト」がある。質問やイラストなどに対し、自分の考えに最も近いものを選択するというよくあるアレである。
しかし、用意された選択肢が極端な2択で完全にどちらにも当てはまらなかったり、誘導尋問に近いようなものだったりするものが散見され、遊び要素ながらやや腑に落ちないものがある。

たとえば、以下のようなものである。

Q.時間やお金が余っていたら、なにをする?

①自分の成長につながること
なにもしない

いやその2択しかないのはおかしいでしょう


いやいや、その2択はおかしいでしょう。
もっとこう、遊んで暮らすとかそういう選択肢はないのかと。ツッコミどころ満載である。
また、こういった選択肢もある。

Q.もしもきみがリーダーになったらどうやって物事を決める?

①自分の価値観が絶対
わからない

いやもっと色々あるでしょう。仲間と協調して決めるとか…。
とまあ、このように一定の方向に誘導しようとしたり、明らかに片方しか選ばないでしょうというような露骨な選択肢もあり(パソコンやスマホで〇ッチなサイトを見ることがある?など)、診断とは名ばかりであったように思えた。

★序盤におけるストーリー進行の問題点

この点もかなり筆者は問題視している。

本作、主人公が学園内で目を覚ますところでゲームが始まるのだが、記憶喪失の主人公&霧に包まれた異常な状況下の学園という、プレイヤーにとっては360度すべてが「???」な状態でゲームが開始される。

そしてその後も、登場人物たちは世界観や状況の説明をロクにしないままストーリーが進行していくので、プレイヤーの疑問は積もっていく一方で、一行に解消される気配がない。

一応、序盤で学園長からそれっぽい説明を受けるのだが全く内容が不足しており、その割にやたら物わかりの良い主人公が「理解した感」を無言で表現しているのでそれ以上の説明がされることなく、独特な会話のテンポや登場人物たちのどうでもいい雑談により「違う、今知りたいのはそれじゃない」とフラストレーションが溜まっていく。

これらの世界観に関する疑問は、ストーリー進行ごとに徐々に薄くなっていくのだが、とにかく序盤は苦しい。

せめてプレイヤーのみならず主人公も「???」となっていれば「ああ、意図した演出なんだな」と理解できるのだが、主人公は理解した感で進んでいくのでどうにも置いてきぼり感が強く、難儀した。

大した説明もないまま、妙な2択を迫られる

以上から、本作は特にプレイ開始直後こそが一番の鬼門であり、質の高いとはいえないグラフィックと、プレイヤー置いてきぼりのストーリー進行のダブルパンチによりプレイを停止してしまうかどうかが分かれ目であるといえよう。人によってはこの時点でクソゲー認定する人がいる可能性もある。

しかし、しかしである。
これだけ多くの「問題点」を挙げたにも関わらず、また筆者自身、序盤で心が折れそうになったにも関わらず、筆者は最終的にこのゲームに良い評価を下している。

それは、序盤の苦しさや上記問題点を上回るすばらしい経験が出来たからに他ならない。

良い点

本作、苦しい序盤を乗り越えた先、第一章終盤「強欲ノ章」辺りから急激に面白くなってくる。

上質なストーリー

本作のシナリオ、盛り上げどころを熟知しており、かなりアツいものであった。

ネタバレ(クリックで展開)
  • 第二章、主人公消滅後に現れるカケルのセリフひとつひとつは、完全にプレイヤーの気持ちを代弁&後押ししてくれており、胸が熱くなる。そこからループをさせる展開も、まさかここで強欲のモナークの「時空間操作」を使ってくるか、という意表を突かれる展開。シナリオ上、いち敵の能力に過ぎないと「時空間操作」をこのような形でストーリーに絡ませてくるとは、かなり衝撃を受けた。

    カケル先生。作中のキーマンの一人だ。
  • またその後、主人公の虚飾のモナークの真の力が発動し、別世界での記憶と経験を真生徒会の仲間が共有するシーンも非常に良かった。通常、タイムリープものは主人公のみが別世界の記憶を持ち合わせている(あるいは、仲間は無意識にぼんやり覚えている)という設定が多いが、本作は仲間も含めて、最期には記憶を完全に引き継いでいるため、その辺りのモヤモヤ感がなくスッキリした展開である。

  • 序盤とは裏腹に、中盤以降はプレイヤーの置いてきぼり感が少ない。登場人物がキッチリとプレイヤーの疑問を会話で潰してくれるため、プレイヤーは登場人物と同じ目線で話を進めることができる。
  • またクリアした後、主人公=プレイヤーの心の中にしこりのように残っていたカケルを救う裏エンドが追加されるのも素晴らしかった。主人公にとってカケルはここまで導いてくれた恩人であり、正直妹よりも会話していた時間が長く、誰よりも救いたかった相手であると言っても過言ではないだろう。

もちろん、細かい粗や矛盾を探し始めればこの手の話はキリがないのだが、盛り上げどころをしっかり抑え、プレイヤーの感情をしっかりと揺さぶってくれた点を強く評価したい。個人的には、アツさの瞬間最大風速でいえば「テイルズオブアライズ」をしのぐ出来であったといえよう。

このストーリーのアツさだけでこれまで述べたすべての問題点をひっくり返すレベルで面白く、「途中で止めなくて正解だった。モナーク、ええやん」という気にさせてくれる。

魅力的な登場人物と声優の名演、ボーカルつきBGM

また、それらのストーリーを演出面から大きく支えた登場人物と声優の名演も外せない。
真生徒会はもちろん、プレイヤーの行く手を阻む契約者たちも個性的で魅力たっぷりであり、また各モナーク達のデザインもかなり作りこまれている。(グラフィックの質の関係でやや残念な部分もあるが)

バディのひとり、弓田。主人公を慕うかわいい男子。
モナーク(左)のデザインはかなり作りこまれている

さらに、「問題点」で述べたようにグラフィックなどの視覚的な演出が甘い一方で、声優の名演を始めとした聴覚的な演出はすばらしいものがあった。作中のいたるところで流れる挿入歌は良い曲揃いで、ゲーム終了後も時折聞きたくなるものばかりだ。

戦略性の高い独自戦闘システム

本作の面白さを語る上で、戦闘システムについても外せない。
基本的には「アークザラッド」「サモンナイト」「ファイアーエムブレム」といったシミュレーションタイプの戦闘であるのだが、「リオーダー」「発狂」「覚醒」「共感」といった独自システムによる肉付けで、本作の戦闘はかなり頭を使うものとなっている。

  • 「リオーダー」を使用することで、そのキャラの代わりに、行動済の他の仲間を再行動させることができる。これにより、強力なユニットを何度も行動させることができる。
  • 「MAD」と呼ばれるゲージがあり、100%になると「発狂」し操作不能&近くの敵味方を無差別に攻撃し始めてしまう危険な状態となる。MADは、各スキルを使うほか、上述したリオーダーを使う事でも溜まっていく。したがって、安易に何度もリオーダーを使用しているとすぐに発狂状態となってしまうため、リオーダーは注意して利用する必要がある。
  • 「MAD」のほかに「AWAKE」というゲージもあり、こちらは100%になると「覚醒」状態というポジティブな強化状態になる。また、同じキャラクターが同時に「発狂」と「覚醒」両方の状態になると、「発狂覚醒」状態になり、発狂のデメリットがすべてなくなった上で、覚醒以上の超強力な強化状態になる。このように、発狂が単にデメリットで終わらず、使い方によってメリットになりうる点が良くできている。
  • 主人公の固有スキルに「共感」がある。敵あるいは味方と共感することで共感した相手と状態やスキルを共有することができる。例えば、誰か一人を「発狂覚醒」状態にしたうえで、そのキャラと主人公を共感させることで、主人公も発狂覚醒状態にすることができる、などの使い方がある。複数人と同時に共感することもできるので、一気に全員を発狂覚醒状態にすることも可能である。

このようなメリット、デメリット双方を備えた独自システムにより戦略がうまくハマった時の快感はすさまじく、戦闘難易度も高いので、頭を使う戦闘が好きな方にとってはドはまりするものがある。

戦闘はかなり作りこまれている


もっとも、先に述べたように最終的には大味な戦闘になってしまいがちなのであるが…。

やりごたえのある「謎解き」要素

本作、RPGにしてはやたらと「謎解き」に力をいれており、意外にも歯ごたえのあるものが多い。(それゆえ前述した「メモとりが大変」という話に繋がってはしまうのだが)

謎によっては、いったん探索中のダンジョンから出て対応しなければいけないものなどもあり、人によってはインターネット検索などで調べたくなるほど詰まるのも多く、謎解きが好きな筆者にとってはなかなか好印象であった。戦闘システム然り、頭を使うことに重点を置いたゲームコンセプトなのであろうか。

快適なロード・システム周り

先に「問題点」で述べた箇所以外は、システム周りはそこそこよくできている。ロード時間は短いし、スマホ画面のUIも悪くない。学園内は大して広くないがファストトラベルも完備しており、マップ上に行き先も記載されているので、謎解き以外で詰まることはなく、進行そのものは快適に進むであろう。

スマホ。使いやすい。

総評

ハッキリ言ってグラフィック周りは擁護不能である。「こういうシンプルなのでいいんだよ」などという意見は、正直なところ逆張り狙いだと思っているし、筆者は本作を、序盤プレイ時点ではかなりの低評価を下している。
最終的には良ゲーだと感じたものの、当時、序盤時点での評価としては適切であったと自負しているし、悔いてもいない。

しかしながら、蓋をあければ尻上がりにどんどん面白くなってきたのもまた紛れもない事実である。

序盤に「耐える」という選択をプレイヤーに強き、導入部分でプレイヤーを引き込めないという点も含めて本作の内容であるので、それを考えれば、本作の73点という高評価は適切でないかもしれないが、やはり良い意味でプレイヤーを裏切ってくれたこと、十分なボリュームですべてを描き切ってくれた感、プレイした後の満足度の高さからこのような評点をした。

序盤10-15時間を耐えることができるかが肝であり、それを乗り越えた先には、「ああ、頑張ってよかったな」と思えるような良質なゲーム体験を得ることができるであろう。購入された方は、ぜひ最初で挫けず、プレイし続けて欲しいと思う。

ジュドーさん
ジュドーさん
最後までやってみればまさかの良ゲー。万人向けではないが、ジュドーさんはとても好きなゲームだ!


POSTED COMMENT

  1. 匿名 より:

    メタ視点に立とうが無限ループしようが金と権力を持とうが煽るだけで何も出来ない奴以外何も出来ないようにデバフを撒いては裏で神からの贈り物とか盗作こそが自分らしさとか煽る上級国民の起源なんて何の魅力も無くて見世物にすらならないから内容も無いのに駄洒落で名前や設定を変えた盗作で寝取ってやったとゲイ臭いアピールだけしてる腐ったゲームのためにパクられ元の基準にされてそうな一般人を駄洒落で異常者扱いして委譲者だと誤記したエゴイストの邪神だか上級国民だかのほうが先に壊れたって感じだったな
    もしかして誰かに対するイジメだか医事目だかで販売しただけなんじゃね

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