レビュー

【59点】【ペルソナ5 タクティカ】どうしてこうなった…待望のP5スピンオフも、すべてが「惜しい」作品 評価・レビュー・感想【P5T】

タイトル(かな) ぺるそな5たくてぃか
ハード PS5,PS4,PC,Switch,XboxGamePass ,XboxSeriesX|S , XboxOne
発売日 2023年11月17日
点数 59点(平凡・平均的)
総評 ・薄く引き伸ばされたストーリー
・ひたすらモブ敵を総攻撃で倒す戦闘
・戦闘システムは練られているが、出撃人数3人はやはり少ない
レビュー執筆時点 2023年12月3日
(Ver1.0000.200)

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序文

私はペルソナ5が好きだ。ほどよく厨二感をくすぐられる設定、スタイリッシュな世界観、魅力的なキャラクター、ゲームシステム。2010年台後半のJRPGとしては5本の指に入る、屈指の作品だったと思う。そしてスピンオフの無双系アクションである「ペルソナ5スクランブル(P5S)」もかなり出来が良かった。「ロイヤル(P5R)」で活躍の機会が増えた明智や、新キャラである芳澤かすみが登場しなかったことを除けば満足の出来であり、無双系とペルソナ5のシステムを見事に融合させた良作であった。

そんなペルソナ5の新たなスピンオフが出るとあらば、もうこれは買うしかないでしょう。しかもジャンルはSRPG。「ファイアーエムブレム」「サモンナイト」「トライアングルストラテジー」etc…。SRPGが大好きな筆者にとって、こんなにテンションの上がることは無い。「ペルソナ×SRPG」ですよ?えっ、しかもDLCで明智とかすみが出るの!?

もうこれは約束された神ゲー。キャラがデフォルメ?そんなの関係ねえ!面白ければいいんだよ!これは俺のためのゲームや!!!!

…と、筆者の中で上がりすぎたハードルの中発売された本作。あえて事前情報はほとんど仕入れずにプレイしました。

うん…。面白かった、面白かったです。でも…コレじゃなかったです。勝手に他人の気持ちを代弁する気はありませんが、おそらくこれは、「ペルソナ5ファン」も、「SRPGファン」も、どちらにとっても中途半端な、モヤモヤ感が残る作品になってしまったのではないかなあ。

本記事にて、ペルソナ5 タクティカの感想・評価を述べ、レビューをしていきます。なお、記事内にペルソナ5(ロイヤル含む)、ペルソナ5 スクランブル と本作のネタバレが含まれています。重要なネタバレ箇所は非表示にするよう配慮しますが、何をネタバレと感じるかは個人の主観にもよるため、閲覧の際は自己責任でお願いします。

なお、記事の執筆時点でのプレイ状況は、「初見本編Hardでクリア→DLCシナリオをRiskyでクリア→本編2周目 Riskyでプレイ中」です。

※録画ミスにより記事内の画像の画質が悪いです。ご了承ください。

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そもそも見たかったのは「後日談」

まず本作の本編シナリオでの時系列は、卒業式直前。つまり、P5本編シナリオ、P5R追加シナリオが終わってから、エンディングまでの間、ということとなる。

もうこれは完全に個人の好みであることを念頭に主張させていただくが、

見たかったのはその時系列じゃない。

もう主語をでかくして「ファンは」と言いたいくらい強く言いたいがグッと我慢する。「私が」見たかったのはそこではなく、「ロイヤル」の、あの意味深なEDの後の話なのだ。

P5Rのネタバレ注意(クリックで展開)
  • 真EDにおける挨拶回り、不自然な芳澤かすみの言動、主人公やモルガナの反応といった一連の流れ。現在主流となっているどの説をとっても説明しきれておらず、不自然さが残る
  • 新幹線乗車後の明智と思しき謎の人物
  • ロイヤルの新キャラとして登場したものの、多くは語られなかったジョゼ
  • 「まだ誰かの夢にいるみたい」「ずっとずっと前から知っていた気がする」などの意味深な数々の発言

同じスピンオフであるP5Sは、後日談ではあったものの、無印P5の後日談だったので、ロイヤル特有の疑問については解消されず、かなりモヤモヤしていた。そこから3年経って発売された新スピンオフ。前回は無印EDの後日談だった。ということはついにロイヤルの後日談でしょう!!

…と思いきや、時が巻き戻ってED直前の話って…。
いやいやもういいですよED前の話は。攻略本のロングインタビューでは、「公式では明言しない、各自の考え方を大切にしてほしい」という趣旨の発言があったが、そういう「お前がそう思うならそうなんだろう、お前の中ではな」的な解釈投げっぱなしはもうお腹いっぱいだ。

本作の時系列は、本編ED直前

しかもね、明智とかすみのDLCシナリオの時系列はそこから更に巻き戻って、P5R本編の途中ですよ。内容的に10月~11月くらいの間になるのかな。つまり、詳細は伏せるが、明智のこともかすみのことも、怪盗団が真に理解する前の話なんです。さすがにそれはないでしょう。

ゲームそのものの評価かと言われると少し軸がズレてしまうのだが、ここのガッカリ感はかなりあった。調べれば買う前に分かることではあるが、そういう問題じゃないので。

シナリオ・新キャラクターについて

シナリオは、ペルソナ5らしさはあるものの、やや盛り上がりに欠けた。本作は新キャラの春日部統志郎とエルの物語であって、怪盗団は基本的に部外者である。もちろん、数々の修羅場を経験した先輩として、迷える統志郎やエルを導く役割として怪盗団も重要な存在ではある。が、あくまで脇役なのだ。まあそれは良いとして…。

その上で、肝心の新キャラ2人を主役に据えたシナリオがちょっとチープというか…スケールの小ささを感じずにはいられなかった。詳しく見ていこう。

ネタバレ注意(クリックで展開)
  • 統志郎とエル…というか、実態としては統志郎一人の物語。
  • 幼少期に病弱であった母を亡くし、大物政治家である父の傀儡として、次期総理大臣候補として自身の意思なく育てられている。(なお母の死は、自身が母をこっそり病院から連れ出したことにより症状を悪化させた可能性があるが、真偽不明。)
  • 高校時代、とある先輩の影響を受け徐々に前向きな性格になりかけるも、その先輩と共に行った教師の不正の告発がきっかけで、先輩が大怪我を負ってしまう。統志郎はそれを自身の罪であると感じている。
  • 上記の出来事で、完全に心が折れる。自らの意思を持つことをせず、これまで以上に父の傀儡となる。また、資産家との政略結婚により婚約者をあてがわれており、その婚約者の性格も相まってさらに心を閉ざしていく。
  • 本作の舞台は、そんな統志郎の精神世界。エルはその世界の住人であり、統志郎の意思を黒幕から守ろうとする精神的存在である。

なんだろう…重い話ではあるのだが、結局ある1人の人物にフォーカスした話ということで、P5本編における祐介、双葉、春などの個別エピソードと重さ的には大差ない気がする。単独エピソードをめちゃくちゃ薄めて引き延ばしたというか…既視感がすごいシナリオなのだ。

むしろ、既視感については意図的にやっている節がある。ところどころで怪盗団の面々が「わかるわかる、それ俺もあったわ~」といっちょ噛みしてきて、シナリオに置いていけぼりにならないように絡んでいくのが不快というか、「作っている側」の都合が透けて見える点が没入感を損なっている。

また、各章の展開がワンパターンで驚きが少ない点も気になった。ステージごとにその世界を統べる長のようなボスがいて、虐げられている住民を解放していくという展開ばかり。ボスは統志郎のトラウマ的存在が姿を変えたものであるのだが、正直P5無印で見たような展開が多く、マンネリを感じずにはいられなかった。

1話から散々引っ張った統志郎の「罪」についても、ぶっちゃけ大したものではなく(というと失礼だが)、そりゃ本人的には大事だろうが、プレイヤーにとっては「あるある」なエピソードでしかない。引っ張った期間と、明かされた内容とのバランスがとれていない印象を覚えた。

ただ、シナリオ終盤、統志郎がペルソナに覚醒する下りは良かった。聡明な方であれば予見できたであろうが、それまでの流れで戦闘参加人数は3名までだからこれ以上増えることは無いだろうという先入観があったため、筆者にとってはサプライズであった。

また、主要キャラの統志郎やエル個々人の魅力についても、良いキャラではあるのだが、正直もう一声、魅力が欲しかった。強烈なキャラクターが多いペルソナ5において、物語の主軸に据えるにはいささか地味に感じてしまった。
思えば、「P5R」のかすみや丸喜、「P5S」の善吉やソフィアなど新キャラがことごとく魅力的だったので、どうしてもそれらと比べてしまう。ただこれは、イラストや3Dキャラクターがデフォルメされていることや、ゲームシステムの都合上フリーな会話が少なく、キャラの掘り下げの機会が少ないことがデバフとして働いている可能性はある。

物語には既視感が

戦闘

わかった。シナリオはもういい、わかったよ。大事なのは戦闘だ。これはSRPGなのだから。ペルソナ5の魅力的なキャラクターでSRPGの戦略的な戦闘が楽しめるならそれでいい。

戦闘については、かなり工夫されていて面白い一面もあるのだが、しかし不満点も多くあった。割合でいうと 面白い:不満点 が4:6くらいのイメージだろうか。個別に項目を設けて見ていきたい。

良い:ペルソナ5の戦闘をSRPGにうまく落とし込んでいる

オーソドックスなSRPGの戦闘とは一線を画した、なかなかよく考えられたシステムであると感じた。

  • カバーアクション:障害物の近くではカバーが自動発生し、GUARD状態となる。GUARD状態では敵の攻撃を受けてもダウンせず、ダメージ減少の効果もある。
  • 銃撃と近接攻撃:遠距離から攻撃できる銃撃と、敵を吹き飛ばす効果のある近接攻撃との差別化が図られ、どちらにも出番がある。
  • 属性:属性ごとにヒット時の追加効果が異なり、アギ系、ブフ系などの属性魔法にきちんと差別化が図られている。
  • ダウンと1more:GUARD状態でない敵に攻撃を当てると敵がダウンし、1moreが発生し再行動できる。1more中に別の敵をダウンさせることで再度1moreが発生するので、連続行動で一気に戦局を有利にすることができる。
  • トライバングル(総攻撃):ダウン中の敵を範囲に入れた状態で、味方3人で三角形を作ることで発動できる強力な攻撃。三角形の中の敵すべてに大ダメージを与えることができる。このトライバングルで、いかに効率的に敵を倒していくかが本作の基本戦術となる。

これらの要素によりSRPGのタクティカル・バトルにペルソナ5のスタイリッシュさが合わさって、うまく融合が図られている

ペルソナらしいスタイリッシュさが出ている

良い:移動の自由度が高い

こうしたジャンルのゲームでよくある、「1ターン・1移動・1行動」とは異なり、本作は行動するまでは何度でも移動ができる(もちろん、移動可能な範囲内に限る)システムなので、キャラクターの位置調整が重要なゲーム性とマッチしている。たとえば、以下のような行動が可能となる。

  • キャラAを移動させて3キャラで三角形を作り、キャラBに切り替えてトライバングル(総攻撃)。その後、再度キャラAに切り替えて移動し、敵を攻撃
  • キャラAを低所に移動させ、キャラBに切り替える→キャラBで高所の敵を落下させ、キャラAに自動追撃をさせる(自動追撃は行動を消費しない)ことで、キャラAの行動を消費させることなく、キャラBで1moreを発生させることができる
  • キャラを何度も切り替え、リフトなどのギミックを作用させながら進軍する

これらに1moreによる再行動が加わるので、1ターンにできることの幅が非常に広い。運用次第で「ずっと俺のターン!」が可能となるので、うまくいったときの爽快感は抜群。

敵をダウンさせて連続行動する爽快感はすばらしい

良い:スキルポイントの振り直しが無制限

欲しいスキルのためにポイントを振らずに我慢する必要がなく、気軽に色々試すことができる点が良かった。地味ではあるが、とてもありがたい要素だ。

不満:出撃可能メンバーが3人

これが非常に大きな不満点であった。3人で良いと感じる人もいそうなので、賛否両論な点であろうが、少なくとも筆者にとっては明確な不満点であった。

まず、こうしたタクティカル系ゲームで出撃人数3人というのは非常に少ない。もちろん前例がないわけではないが、8人~12人程度の出撃人数がオーソドックスだろう。人数が少ないというのは、それだけとれる戦術の幅が狭くなるということに繋がり、戦術のワンパターン化に繋がる。

確かに、前述の通り戦闘システムはよく練られているとは思う。1moreによる複数回行動は疑似的にユニットの数を増やしているようなものだし、3人で敵を囲むトライバングルの存在を考えれば、出撃人数を3人としていることも頷ける。何よりペルソナ5本編が同時出撃人数が3人までだし、制作陣の意図は理解できる。

ただ、これは「ペルソナ」なのだ。キャラゲーなのだ。怪盗団全員を余すところなく活躍させ、戦術的に動かして敵を倒していきたいのだ
そもそも怪盗団のメンバー7人(双葉除く)にエルを加えて8人。DLCキャラの明智とかすみを含めれば10人いる中で、同時に選べるのは3人までというのはシンプルに少なすぎる。

一応ゲーム内での説明は、「全員が前線に出るのではなくバックアップが必要」とのことだが(これはP5本編でも同様の説明がされていた記憶)、正直とってつけた感が否めないし、というかバックアップの人数多すぎるし。イベントシーンなどでは普通に全員で戦ってるので、整合性がとれていないようにも思う。

もっと色々やりようがあると思うんですよ。そもそも望みとしては出撃人数を増やしてほしかったのだが、それが難しいとしても、例えば、前線は3人だとしてもサポート枠みたいなのを設定させて援護射撃させるとか、バトンタッチをP5本編のようにいつでもできるようにするとか。「全員が参加してる感」のやりようはいくらでもある。これだけ魅力的なキャラが揃っていて、かつSRPGというゲームジャンルという最高のお膳立てにも関わらず、同時出撃が3人という設定はミスマッチが過ぎる。

まあ…それでも3人というのが本作の鉄の掟、制作陣の強いこだわりなのかなあ…などと納得しかけていたら

ネタバレ注意(クリックで展開)

まさかの終盤で4人目(統志郎)が固定メンバーとして加わるという。ふざけとんのか!ちゃんと4人目以降を前提にしたゲーム設計できとるやないか!!

だったら別に5人でも6人でもいけたでしょう…。トライバングルは3人で作らせればいいだけなのだから。

という脱力感のある展開にげんなり。やっぱりどう考えても3人というのは最適解では無いな、というのが筆者の結論だ。

また、出撃人数の少なさは、全員がある程度単体で完結している能力を持たざるを得なくなることに繋がる。そのため、ユニット性能の平準化に繋がり、純サポート特化キャラのような尖った性能のユニットは作りづらく、結果としてどのユニットも、よく言えばバランス感のある、悪く言えば個性の薄い仕上がりとなってしまっている。習得スキルや銃撃の範囲、サブペルソナによりある程度の差別化やカスタマイズはできるものの、もっともっと尖った性能のユニットが欲しかった。出撃人数が増えれば、そうしたユニットの入る枠もあったであろうに。その点では、「トライアングルストラテジー」のユニット性能は素晴らしかったなと改めて感じる。

不満:ワンパターンになりやすく戦略性にイマイチ乏しい

基本的にトライバングルで多数の敵を囲んで一層するという戦術となるので、あまり奥深くなく、戦略性に乏しいように感じた。もう少しやりこんでみれば評価は変わる可能性があるが、少なくとも難易度HARDの本編、RISKYのDLCシナリオをプレイした限りではそのように感じた。

難易度HARDまではトライバングル1発でほぼすべての雑魚的に致命傷を与えられてしまうので、多少強引に突き進んでトライバングルでゴリ押すことが最適解になりやすく、戦略バトルをやっている感があまりない。RISKYでようやく進軍のタイミングを少し考えないといけないな、くらいのバランス感だが、それでも基本のゲーム性が変わるわけではない。

強気に進軍するか、引き気味で戦うかなどプレイヤーによって多様な戦術ができるような懐の広さがあればまた違ったのであろうが…。
これも、元をただせば出撃人数が3人であることが影響しているように思えてならない。

結局は敵を囲んでトライバングル。

不満:単調なRewardとプレイスタイルの固定化

本作の戦闘にはRewardという要素がある。特定条件を満たした上で戦闘をクリアすると、報酬が上乗せされるというものだ。これ自体はSRPGにはよくある要素なのでまったく問題ない。問題は、どの戦闘のRewardも条件がワンパターンで、面白味がない点だ。
大体どの戦闘のRewardも、

  • 〇ターン以内にクリア
  • 自軍ユニットが戦闘不能にならずにクリア

ほぼこの2つで構成されている。
後者の「自軍ユニットが戦闘不能に~」はともかく、ほぼ毎回の戦闘に「〇ターン以内にクリア」があるせいで、スピードプレイを余儀なくされる点も悪さしており、先に述べたような「多様な戦術」を否定する形となっている。まあ、少なくともHARDまでは「〇ターン以内」の達成条件がゆるゆるで、普通にやっていれば大体達成できるので、極端に焦る必要はないのだが…でも、普通にやっていれば達成できるRewardって、それそもそも存在意義あるの?とも思う。

例えば他のSRPGでは、Rewardがステージごとにユニークなものが設定されていて、達成により新たな仲間が加入したりとか、ストーリーが分岐したりとか、そういうゲーム的に面白くなる要素が組み込まれているのだが、本作のRewardはあまりにもオマケ要素が強い。

オマケが悪いとは言わないが、なんというか…他のSRPGでも似たような要素があるからつけとくか!程度の感じがして、特段ゲームを面白くしていない点に不満がある。

というか、しつこいようだが、Rewardの条件で戦闘不能者を出してはダメ=バトンタッチの否定 なわけで、メンバーの3人固定に拍車をかけている。まあバトンタッチのためにわざわざ戦闘不能になることはないのだが、やっぱり歪だよなあ。

不満:敵がモブばかりで、ストーリー性のある戦闘がボス戦しかない

これも大きな不満点だった。
多くの戦闘は名前のついていないモブ敵の集団を相手にするばかり。ここでいうモブ敵とは、いわゆるシリーズ恒例の「悪魔」ですらなく、名前のないシャドウのような存在だ。スキルなどは使用してこず、銃撃と物理攻撃程度の単調な攻撃しかしてこない。大型の敵、傘を持った敵、など形態ごとに決まった行動パターンはあるものの、それだけ。ステージや敵配置、ギミックなどが多少異なるものの、非常に単調な戦闘を繰り返すこととなる。

また、付随して、個々の戦闘に物語性がない点も問題だ。「モブ敵がきたぞ!倒すぞ!」みたいな展開ばかりで、物語としての「熱さ」がボス戦以外にまったくないのだ。

以前から別ゲームのレビューでも述べているように、1回の戦闘時間が長く、戦闘がゲーム全体に占める割合が大きいSRPGというジャンルにおいては、個々のイベント戦闘における(ストーリー上の)意味づけは重要視されるべきポイントだ。
しかし、本作のほとんどの戦闘はボス戦までの作業に過ぎない。この点は非常に残念で、つまりそれは、物語としての奥行きが深くはないことを自ら証明してしまっていることに他ならないのだ。

こんな感じのモブ敵とひたすら戦い続けることとなる

不満:巻き戻し(UNDO)がターンごとである点

これまで述べた不満に比べれば些細なことではあるが、行動の巻き戻し機能であるUNDOが、個々のユニットの行動ごとではなくターン単位である点はやや残念であった。

前述のように、本作はキャラクターの切り替えや1moreの駆使により、1ターンが非常に長くなる傾向がある。しかしながら、本作の巻き戻し機能はターン単位で行われるので、何か行動を誤った際にターンの最初まで戻らないといけない点は地味に不便であった。

せっかく巻き戻し機能を実装するのであれば、便利であるに越したことはない。「タクティクスオウガリボーン」や「ファイアーエムブレム エンゲージ」などの巻き戻し機能は非常に快適であったので、どうしてもそれらと比較してしまうと残念である。

悪魔合体・サブペルソナ

育成システムは、オーソドックスなレベルやスキルシステムのほか、ベルベットルーム(ペルソナ合体)もしっかりと用意されている。ベルベットルームではP5同様にペルソナ合体をすることができるが、P5Tでは主人公の素養「ワイルド」は形を変え、メインのペルソナの他に、サブペルソナという形で1つだけペルソナを装備できるシステムとなっている。そして、主人公のみならず仲間(元々ペルソナを装備できないエル除く)も同様にワイルドの恩恵を受け、サブペルソナを装備することができる。

この設計については良い落としどころかな、と思っている。
欲を言えば、合体素材のペルソナが手に入りにくいのでもう少し手軽な入手手段が欲しいことと、スキルチョイスが微妙な点などは挙げられるが、大きな不満はない。

悪魔合体は健在。さすがに本編ほどのボリュームはないが。


また、同様にペルソナを消費して銃を作成できるシステムもある。合体以外のペルソナの用途は喜ばしいことだが、いささかコストが重めな点が気になった。また、できれば「手持ちのペルソナがあったとしても」全書から直接素材にできるようにして欲しかった。
手持ちのカスタマイズされた戦闘用サブペルソナと、銃の作成素材となるペルソナの条件がたまたま合致してしまった場合に、現在の仕様だと全書から直接素材を用意できない。この点はアップデートなどでの解消が望まれる。

総評

記事の冒頭でも述べたように、私はペルソナ5が好きだ。なので、また怪盗団と出会わせてくれたことには心から感謝している。しかし、期待していたものとは少々異なっていたというのが正直なところだ。それは単純なゲームとしてのクオリティのみならず、ストーリーやシステムをはじめとするゲーム設計部分を含めてだ。
本作は駄作ではない。しかし、本当にこの方針で良かったのか。P5Sに劣らぬ良スピンオフとなれるポテンシャルは間違いなく秘めていただけに、残念でならない。

©ATLUS ©SEGA

ジュドーさん
ジュドーさん
私は誰よりもこのゲームに期待していたのだ





POSTED COMMENT

  1. 通りすがり より:

    通りすがりですが、良い所も悪いと所もまっっったく同じ意見です。
    最初は良く落とし込んだな〜と感心してましたが、中盤あたりまでくると同じことの繰り返しで飽きてしまいました。

    ペルソナも厳選するような事もなく、怪盗団レベルに合わせてテキトーに作るだけで進めてしまうので、突き詰める面白さがないなぁと思いました。

    デビルサバイバーはめちゃくちゃ面白かったし、SRPGのノウハウが無いわけじゃないと思うんですけどね。

    落とし込んだ所で力尽きたのか、そこから作品を煮詰めるところまでいけなかった惜しい作品だと思います。

    • ジュドー(管理人) より:

      ありがとうございます。
      >ペルソナも厳選するような事もなく、怪盗団レベルに合わせてテキトーに作るだけで進めてしまうので、突き詰める面白さがない
      同意です。そこで「やり込もう」という気が少々失せてしまいましたね。

  2. のそ より:

    私もペルソナは2周目からが本気なガチプレイヤーであり、FFTやマーセナリーシリーズなどのSRPGも好きです。

    そしてスクランブルも超面白かったので期待していました。
    ペルソナとシュミレーションの相性イマイチと言うか、これなら有料DLCでスクランブルのジェイル増やしてくれた方が良かったです。

    放置してます…

    • ジュドー(管理人) より:

      きっとやり用はあったと思うのですが、うまく消化しきれなかった感じは否めませんでしたね。とても残念です。

  3. 匿名 より:

    どこの企業を見ても見苦しくIPにすがって
    搾取するオナヌー企画ばっかな気がする
    頑張れ日本のインディーズ

  4. 匿名 より:

    ストーリーは良かったし、戦闘も楽しめた
    でも、本当になぜSRPGで出撃人数が3人なのか
    それが不満でならない
    人数が多ければ、できればみんなで出撃したい!とプレイ中思わずにはいられないゲームだった

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