レビュー

【98点】【バルダーズ・ゲート3】神ゲーであることに疑いの余地なし。GOTY受賞も納得の大傑作RPG! 評価・レビュー・感想【BG3】

タイトル(かな) ばるだーずげーと3
ハード PS5,PC
発売日 2023年12月21日
点数 98点(傑作)
総評 ・ゲーム史に残る傑作RPG
・圧倒的な作りこみと世界観
・ややコアゲーマー向け、万人受けはしない
レビュー執筆時点 2024年2月13日
(Ver.1.005.600)



序文

2023年のゲームソフトは非常に豊作な年であった。「ファイアーエムブレム エンゲージ」「ファイナルファンタジー16」「バイオハザード RE:4」「Lies of P」「アーマードコア6」「ホグワーツ レガシー」「ストリートファイター6」などといった錚々たる顔ぶれ、そして何といっても「ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム(ティアキン)」。

特に「ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム」は、メガヒットした「ブレスオブザワイルド」の続編であり、前作に勝るとも劣らない高評価を得ていることから、筆者は勝手にどうせ今年のゲームオブザイヤー(GOTY)はティアキンでしょ と思っていたし、そのように思っていた和ゲーマーも少なくないはずだ。

しかし、GOTYを受賞したのは本作、「バルダーズゲート3」。しかも、GOTYのみならず計6部門にて受賞している、まさに総ナメと言っても良い結果であった。

GOTY発表時点では本作の日本語版は未だ発売しておらず、英語苦手マンである筆者は恥ずかしながら本作を全く存じ上げなかったが、ティアキンを抑えての受賞に俄然興味がわき、日本語版の発売日にPS5版を購入。早速プレイしてみた。

そして見事に沼に嵌った。
なんだこのゲーム、面白すぎるぞ。

昨年「エルデンリング」をプレイしたとき、いやそれをも上回る衝撃を受け、スキマ時間を見つけてはプレイすること140時間。ようやく自分の中で一区切りつき、本記事を書くに至っている。率直に言って、筆者が当ブログを開設した2020年末からカウントし、この記事の執筆時点である2024年2月10日時点において、間違いなく当ブログ史上最も面白かったゲームであったし、まだまだ更にハマっていくだろう。

本作の素晴らしい点、不満点につき、本記事でしっかりと言語化していきたい。

どのようなゲームなのか

超ざっくりといえば、RPGである。戦闘はコマンド式のシミュレーションRPGに近い。

本作はテーブルトークRPG(以後TRPGと呼称。コンピュータゲーム機によらず、ルールブックと人間同士の会話により進行していき、行動の成否もダイスなどのアナログツールを用いて行う旧式のRPG)の始祖であり、世界最古のRPGとも呼ばれるダンジョンズ&ドラゴンズをベースとした作品である。
漫画「遊☆戯☆王」を読んだことのある人は、遊戯一行とバクラとの戦いで何となくTRPGを知っているのではないだろうか。

ストーリーの大枠は、マインドフレイヤー(イカのような化け物)の幼生を脳内に入れられたプレイヤーが、その除去の方法を探すために冒険を始めるというもの。道中で目的や利害が一致するキャラクターを仲間にしたり、NPCの困りごとを解決したりしながら進行していく点は他の多くのRPGと同様だ。

目を経由して幼生が脳へ…本作のはじまりのシーン


システム面の大きな特徴は、ほとんどの行動の成否がダイスの結果に影響される点にある。戦闘時における攻撃の命中やダメージ、フィールドでの隠されたアイテムの発見、罠や鍵開けの成功率、NPCとの会話や説得に至るまで、あらゆる行動がダイスの結果に依存している。このある種の古臭さは、現在主流となっているRPGにはあまり見られないものだ。

行動の成否はダイスで決まる


また、プレイヤーの心情や状況などを説明する「ナレーション」が随所に流れる点も特徴的だ。これは実際のTRPGにおけるゲームマスターの役割を、ゲーム内で表現をするものであるといえる。

あとは、特筆すべき点として、本作はあらゆる点においてかなりの「自由さ」が確保されている。この点については、他の項目で少しずつ詳細に解説していく。

ナレーターが状況や心情を説明してくれる

国内レビューに低評価が目立つ点について

さて、話は変わるが、GOTYを受賞し、大手のレビューサイトなどでも絶賛されている本作だが、実はAmazonレビューなどを始めとした個々のプレイヤーレベルでの感想を見ると、実は低評価のものが少なくない。代表的な意見としては、

  • テンポが悪い、移動速度が遅い
  • システムが難しい
  • 古臭い
  • ダイスで行動の成否が決まるので、運要素が強すぎる
  • (特にPS5版の)ロードが長い

等であろうか。
正直に言ってしまえば、すっかりバルダーズゲート3信者となった筆者にとっても、これらの批判の多くについて、まったく否定することができない。「わかるわかる、ごもっとも」と思ってしまう。
特に感じたのはPS5版のロード時間の長さ。ファストトラベルで他エリアに移動する度に20~30秒程度のロード時間が挟まれるのは大きなストレスであった。PC(Steam)版であれば、スペック次第ではあるがロード時間がかなり軽減されるので、これから購入する人はSteam版を強くおススメする。(筆者はPS5版を購入した後、Steam版を買いなおした)

また、ダイスによって行動の成否が決まることについて、不満に思う意見も理解できる。戦闘時はさておき、会話イベント中のダイスは、その結果によってストーリー展開そのものが変わってきたりするので、選択した通りの展開を楽しみたい人にとってはダイスは邪魔でしかなく、結局セーブ&ロードで成功するまで繰り返すこととなる。であれば、結局ダイスって何の意味があるの?面倒なだけでは?と思われても仕方ないだろう。そして、失敗してやり直すたびに長いロード時間が…と考えると、テンポの遅さを指摘する気持ちもごもっともだ。

また、移動の遅さを指摘する声も多い。ここについては、筆者も最初こそは感じたものの、だんだんと「これくらいがちょうどいいかも」と思うようになった。

まあ、もう少しくらい速くてもよかったかな。現状の1.1倍~1.2倍くらい早くても良かったかも。

移動速度について不満に思うプレイヤーも


というわけで、バルダーズゲート3大好きっ子となってしまった筆者ですら不満要素を挙げていけばいくらでも思いつくことからもわかる通り、本作は万人受けするゲームではない。「刺さる人には刺さる」という言い方はあまり好きではないのだが、実際そのようなゲームなのだ。

本作の魅力は、圧倒的なまでの「深さ×自由度」

では、欠点も多くみられる本作の、一体何が傑作であるのかについて、個人的な意見を述べたい。

まずよく言われるのは、「圧倒的な自由度の高さ」である。
本作はメインストーリーの終着地だけ決まっており、そこへ至るまでのルートは無数にある。どのようなルートを通って進めていくかでプレイヤーの個性が出て、「あなただけのRPG」が味わえる作りとなっている。

また、「出来ないこと」というのがほとんどない。ストーリー進行上重要なNPCであっても攻撃して〇害できるし、盗みやスリといった悪人プレイもできる。もちろん、善人として振る舞い勇者プレイをすることもできる。そうした自由度の高さを評価する声は多い。

助けを求める声に応えるか、無視するか。はたまた対価を求めるか。すべては自分次第


ただ、筆者はそれ(自由度)自体が本作の傑作たる要因か?と言われると、少々疑問に感じている。

今日日、自由度の高いゲームなどいくらでもある。多くのオープンワールド系ゲームやクラフト系ゲームは大抵自由度の高さを謳っているし、今さら「このゲーム自由度高いんですよ」と言われて食指が動くかというと、そんなことはない人も多いだろう。

では、一体何が面白いのか。筆者が思うに、それは以下の要素で構成されている。

自由度の先にある「深さ」こそが本作の魅力

本作に筆者がハマった要因のひとつに、単なる自由度の高さだけでなく、自ら選択したその先の物語がしっかりと用意されていたことが挙げられる。端的に言えば、世界観の作りこみとテキスト量が尋常ではないのだ。

「自分の選択の結果、物語はこう転びました」という展開がしっかりと深く深く用意されている。シナリオの枝分かれ具合がものすごく、「一見自由度が高く見えるけど、行きつく先は同じだよね」ということがほとんどない。とにかく、選択の先の深さ、奥行きが凄まじい。

無数の選択肢、無数の分岐


そもそもボリュームがとんでもないゲームで、筆者はサブクエストなどを回収しながらじっくり進めたところ、1周クリアするのに140時間を要した。おそらく、かなり駆け足をしても70~90時間程度は要するだろう。

しかし、その大ボリュームにも関わらず、「あそこで別の選択をしたら物語はどう転ぶんだろう」ということを確かめずにはいられず、周回をしたくなる中毒性のあるゲームだ。
実際、周回の度に新たな発見があり、まったく異なるゲーム体験になるだろう。

ダンジョンズ&ドラゴンズから、長年醸成された世界観の深み

本作はとにかく専門用語や固有名詞が多く、ゲームを流しプレイしただけでは何の話なのかが非常に分かりづらい。おそらくこれは、初代ダンジョンズ&ドラゴンズが発売された1974年、あるいはコンピュータゲームとしての初代バルダーズゲートが発売された1998年から脈々と受け継がれてきた世界設定が膨大過ぎて、とてもではないがゲーム内で一から説明できないためであろう。

序盤では何が何だかわからない話の流れも、プレイを進めるにつれておぼろげながら輪郭が見えてくる。そうすると話にぐっと引きこまれていき、これまで読み飛ばしていたゲーム内で手に入る本を読み込んだり、キャラクターの会話に聞き入ったりする沼にハマっていく。こうした行為が好きなゲーマーにとっては、たまらない要素である。

広大なフィールドと自由かつ充実した探索要素

言うまでもなく、広大なフィールドは探索欲を十分に満たしてくれる。「ただ広いだけで何もない」ということが一切なく、時間をかけただけの見返りを与えてくれる。
見返りはアイテムだけでなく、鍵がかかって入れなかったポイントの裏口を見つけたり、新たなNPC、新たなイベントが発生したり…新たな発見に溢れている。

パーティを自由に分割できることも大きな特徴で、たとえばパーティを3人:1人に分割し、敵に見つからないように隠密力の高いキャラクターだけを進ませたり、1人だけ身体を気体に変えて細い隙間を通らせて探索させ、他の者は待機させるなどといったことも自由自在だ。

創意工夫が試される、育成要素と戦闘

さて、次に育成要素と戦闘について語りたい。

まず最初に驚いたのは、ゲーム開始直後のキャラクリである。
種族とクラス(職業のようなもの)を選択するのだが、このキャラクリの段階で既に傑作の予感を感じていた。

種族ごとに外見や能力(特徴)が大きく異なるし、種族を更に細分化した亜種族もある。また、クラスは全12種類あり、どれも特徴が大きく異なるほか、クラス選択後もやれサブクラスだ呪文だと選ぶ要素が多く、種族とクラスの組み合わせを考えているだけで平気で2時間、3時間と溶けていく。この作業が楽しく、なかなかゲーム本編を開始できなかったことを良く覚えている。

キャラクリで数時間溶けるのは当たり前


また、レベルは最大12までと上限が低い一方で、1つレベルが上がるたびにキャラクターは大幅な強化がされる。新たな特技や呪文、サブクラスなどを選択することになるほか、レベル上限の範囲内で他のクラスにレベルを割り振るマルチクラスという要素もあり、育成の組み合わせが広く、プレイヤーの個性が出る。
もちろん装備にも様々なユニーク効果があり、パーティ構成の幅は非常に広い。
この辺りの要素は、MMORPGやシミュレーションRPGで戦略を練ったり、あるいはカードゲームでデッキを組んだりコンボを考えることが好きな人にとってはかなり刺さると感じた。

この画面にワクワクしたあなた。このゲーム、向いてます

 

戦闘システムは、いわゆるSRPGに近い。国内のSRPGでよく見られるマス目タイプのものではなく、移動可能な範囲で自由に動かし、行動するタイプのものだ。攻撃・防御行動の成否やダメージはダイスで決定される。加えて、装備や能力値によってダイスの結果に補正をかけ、命中率や威力が増減するイメージだ。
概ね一般的なSRPGの戦闘なのだが、こちらもやれることの幅が広い。戦闘開始前に、既に戦闘は始まっているのだ。高台に位置どった状態で戦闘を開始して地の利を得ることは序の口、あらかじめパーティメンバーを分割して奇襲や挟撃を仕掛けたり、敵を濡らして感電させたり、油を撒いて滑らせたところに炎で燃やしたり…。位置取りや前準備、ギミックなどをフルに活用していかに効率的に敵を倒すか。知恵と工夫が問われるシーンがとても多い。

かと言って理解できないほど複雑な戦闘システムかというと決してそんなことはなく、ダイス周りの仕様さえ理解すればすぐに入り込める。しかしやり込むほどに奥深さが見えてくる、という面白さを秘めているのだ。

戦闘はSRPGのそれ。ただし自由度は段違い

癖が強すぎる登場人物たち

キャラクターの魅力も本作を語る上で外せない。
仲間となるオリジンキャラクター(※ゲーム内の登場人物)たちはどいつもこいつもキャラが濃ゆい。ただでさえ強烈な個性を持つメンバーばかりなことに加え、仲間のひとりひとりが、マインドフレイヤーの幼生を取り除くという共通の目的とは別の個人的な目的を持つため、メンバー間で衝突することも多い。そのため、特に序盤は仲間意識が希薄。仲間というより集団という印象であった。

しかし、彼らのパーソナルクエストを進めていく過程で徐々に絆が芽生え、終盤ではハッキリと「仲間」と呼ぶシーンも多い。長い冒険を通して成長していく仲間たちの姿に、プレイヤーである自身も愛着が湧き、エンディングでは不覚にも涙が零れそうになった。

初めての仲間?そう、手足の生えた脳みそです

 

人気キャラの一人、アスタリオン

不満点

そんなわけで、現在進行形でバルダーズゲート3にドはまりしている筆者であるが、いくつかの明確な不満点についても挙げておきたい。前述した先人レビュアー達の意見と一部重複するが、特に不満に感じた点をいくつかピックアップする。

  • 不具合(と思われるもの)が多い。特に困ったのが、終盤でジャンプのほぼ上位互換である「飛行」という特技を覚えた際、ショートカットキーで飛行にアクセスしようとするも、ジャンプが発動してしまう現象。飛行もジャンプも同じ「十字キー上」が割り当てられているが故のバグと考えられる。
  • NPCが消滅しクエストが進行不能になったり、会話の流れが不自然になるなどの現象が複数発生した。
  • 操作キャラクターに仲間がついてこなくなることが頻繁にある。特にジャンプで段差を越えた際などに頻繁に発生する。こうなってしまった場合、一度手動で操作キャラクターを切り替える必要があるため、面倒。
  • 先にも述べたが、特にPS5版においてロードが長い。ある程度セーブ&ロードも想定しているであろうゲーム性にも関わらず、このロードの長さは大きなストレスである。野営地の行き来やファストトラベルの際のロード時間も長い。

上記は明確な不満点で、すぐにでも改善してほしいポイントばかりである。こうした点をもって「テンポが悪い」と本作を切り捨てたプレイヤーも少なからずいると考えられるため、非常に勿体ない点だ。

もっとも、これらの点を差し引いてもなお本作は面白すぎる点は付け加えておく。

総評

バルダーズゲート3は、2023年のGOTYの名に恥じない傑作であった。これほど壮大で、色々な意味で「広く・深い」ゲームに、筆者は出会ったことがない。TRPGの雰囲気とゲーム性を巧みに落とし込む設計、自らの行動の結果によって無数に枝分かれする物語、「あそこであっちを選んでいたらどうなっていたんだろう」を確かめずにいられない中毒性。RPG史に残る作品であることに疑いの余地はない。

人を選ぶ作品であることに間違いはないので、友人におすすめのRPGを聞かれたときに気軽に紹介できる作品ではないのだが、もし当ブログの読者の方で、この記事を読み、誰か1人にでも興味を持っていただけたらとても嬉しく思う。購入されたら、ぜひ一緒に語り合いましょう。

ジュドーさん
ジュドーさん
神ゲー。これまでプレイした全RPGの中で最も衝撃を受けたといっても過言ではないです。


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