タイトル(かな) | ばいおはざーどあーるいー4 |
ハード | Xbox Series X/S,PC,PS5,PS4 |
発売日 | 2023年3月24日 |
点数 | 83点(ぜひおすすめしたい) |
総評 | ・歯ごたえある難易度と爽快感の両立 ・サイドミッションと貴族人形はマイナス |
序文
Re:エンジンにより続々とリメイク作品が作られているバイオハザードシリーズ。「2」「3」に続き、大人気作である「4」もリメイクされることとなった。「4」はオリジナル版の完成度が非常に高かったことに加え、それまでのナンバリングと比較しアクション要素の強い作品だったため、リメイクにあたり心配する声も多く聞かれ、筆者としても出来栄えが気になるところであった。実際にプレイしてみてどのように感じたのか、本記事でお伝えしていく。
なお、ネタバレも含まれるため、閲覧の際はご注意されたし。
また、本レビューは1周目クリア時点(難易度STANDARD)でのものである。今後のやりこみやDLC追加などにより大幅に内容は変わるであろう。
良い点
発売前の心配も何のその。リメイク作品として抜群の面白さを誇る作品であった。
オリジナルより難化。やりごたえ十分
Re:エンジンを用いたバイオリメイクは、総じてオリジナル作品より難化している傾向にある。自キャラの動きは鈍重で、敵は固く、手ブレや弾ブレによりエイムも難しい。オリジナルでは雑魚だったゾンビの脅威が大幅に増し、我々プレイヤーが忘れかけていた「ホラーとしてのバイオハザード」が蘇った。それが「Re:2」や「Re:3」という作品の特徴だった。
そしてそれは、「Re:4」でもしっかりと受け継がれている。
難易度STANDARDでもしっかりと難しく、当時オリジナル版をそれなりにやりこんだ筆者であっても油断すればすぐにゲームオーバーになる。体術は相変わらず便利であるものの、周りの敵への巻き込みが減った印象で、やや弱体調整をしたように感じられる。また、ナイフに耐久度が設けられているため、オリジナル版にあったような、窓枠越しに一生ナイフでシュパシュパするような「冷めた」攻略はできなくなっており、この辺りもリアル感が出ており非常に良い。数の暴力と狂気がしっかりと表現され、やりごたえ十分な作りとなっている。
ホラー要素もマシマシ。単なるアクションゲーではない
そもそもオリジナルの「4」は、これまでのシリーズ作品とは大幅に毛色が異なる作品であった。シリーズを象徴する「ゾンビ」は登場せず、代わりに知性をもち、武器を使い、連携もこなす「ガナード」を中心とした敵構成。また、それに対抗するように主人公サイドもアクロバティックな体術を使用できるようになった。さらに、通貨の導入、買い物や武器の改造といった様々な要素が追加された。ホラー寄りからサバイバルアクション寄りへの切り替えが大きく行われたのが「4」だった。
既にホラーからアクションへ舵取りが行われホラーゲームの枠を脱出したオリジナルと、ホラーへの回帰をテーマとしているかのようなRe:エンジンを用いたリメイク。当初筆者は、両者は相性が悪いのではないかと感じていた。怖くもない、ただ動きがモッサリしたゲームが出来上がってしまうのでは。そんな懸念すら抱いていた。
しかし蓋を開けてみれば全くそのようなことは無かった。Re:エンジンとバイオ4は見事な融合を遂げ、オリジナル版に勝るとも劣らない良作が出来上がっていた。
それは敵の強さによるものだったり、視界の悪さから来る死角からの攻撃だったり、要因は様々なのだが、個人的に最も怖さを感じたのは「声」の演出であった。
1stステージ「村」などで特に顕著だったが、「敵の声が近くに聞こえるのに敵がいない」という状況が本作には度々ある。聴覚を駆使した索敵が重要である点は相変わらずなのだが、物音や声が聞こえる=近くに必ず敵がいる というお約束を壊している。
真っ暗な森の中、プレイヤーが行くことができない暗闇の向こうから声が聞こえる。そこにいるはずなのに、敵を視認することはできない。いつ敵が襲ってくるかもわからない、こうした恐怖がプレイヤーの足を鈍らせる演出は相変わらず見事である。
まあ、終盤になるにつれどんどん怖くなくなっていくのだが、その辺りはご愛敬である。オリジナル「4」の構成上最後までホラーを保つのは無理があるし、バイオ2も3も、怖いのは結局序盤なので。
原作からの変更点
オリジナル版からの変更点を一部紹介する。これらの要素により、ゲーム性が高まり、面白さが増した。
- ナイフの仕様変更。「低威力の代わりに使用制限なし」という従来の仕様でなく、「Re:2」のように防御や追撃に使える耐久値ありのサブウェポンという位置づけとなった。また、新要素「パリィ」が追加。敵の物理攻撃の大半を受け流すことができるようになり、大幅にアクション性が増した。さらに、構えずともワンボタンで振れるようになり、「接近戦ではナイフの方が早い」という名台詞を裏付けるような素早いアクションが可能となった。
- ステルス・キルの追加。敵の背後から忍び寄ることにより、ナイフでステルス・キルができるようになった。
- 弾薬のクラフト及びアタッシェケースのカスタマイズが可能となった。弾薬のクラフトは、素材とガンパウダーの組み合わせにより任意の弾薬を作成できるようになった。アタッシェケースは複数の種類があり、「ハンドガンの弾ドロップ率アップ」などといったユニークな効果が付与されるようになった他、様々な効果をもつチャームを3種類まで装備させることができるようになった。これらの要素により、弾薬の入手にある程度介入することができるようになり、プレイスタイルの自由度が増した。
- QTEが大幅に減少した。悪評高い大岩転がしのボタン連打も無くなった他、カットシーンのQTEはすべてなくなったため、レオンとクラウザーのナイフバトルなどの名シーンにつき、映像に集中できるようになった。残ったQTEもオリジナル版と比べ難易度が低くなり、ストレスになりづらくなっている。
上記は一例であるが、全体としてオリジナル版の問題点等にメスを入れ、より楽しめる改善がなされている。
初見15-25時間程度。十分なボリューム
ボリュームは筆者の初見(STANDARD、依頼書ほぼクリア)で19時間程度であった。プレイスピードに個人差がある点を考慮しても、概ね15-25時間程度で収まるバランスである。ある程度周回を前提に作られているゲームなので、これくらいのボリュームであれば十分といえる。クリア後はレコードの達成くらいしかやることがないが、後日マーセナリーズがDLC配信されるとのこと。エイダやルイスのサイドストーリー追加も望まれる。
悪い点
続いて、筆者の感じた問題点についても述べていきたい。
世界観に合わないミニゲーム群
個人的に感じた一番の、かつ唯一の問題点がここだ。筆者はゲームの世界観に入り込むタイプなので、「青の依頼書」や「射的」といったミニゲーム群がどうにも好きになれない点はマイナスであった。大統領の娘の救出に全力を注ぐべきエージェントが、果たしてネズミ退治やコインの破壊、射的ゲームに時間を割くかというと…。シリーズ恒例のお遊び要素にマジになるなよという意見が本ブログの読者から聞こえてきそうであるが、それを抜きにしても、単純にこれらオマケ要素がゲームとして面白くないのだ。
このシリーズが出るたびに思っているのだが、マップに点在する隠しオブジェクトを壊す系の隠し要素はもうやめても良いのではないだろうか。具体的には青い紋章を破壊する依頼書や、貴族人形などだ。青紋章については今作から宝の地図に載るようになり、おっわかってるじゃんと思ったのも束の間、貴族人形は従前の仕様のままであった。この要素、面白いと感じるプレイヤーは多いのだろうか。個人的にはストレスにしかならない。結局攻略サイトに頼っている人が大半であろうし、ゲームとしての面白さを増しているようには思えないのだ。嫌ならやらなければいいのだが、報酬を考えるとそうもいかず…悩ましいところである。マーセナリーズのような完全独立のモードなら良いのだが、本編内でやられるとどうにも。
ややわかりづらいアイテム入手周り
初見で微妙に混乱する点として、アタッシェケースの空きがない時のアイテム入手が微妙に不便だと感じた。アタッシェケースの空きが足りない時に新規アイテムを入手すると、右側に仮のアイテム置き場が表示され、そこから出し入れすることでケース内を整理できる。
これ自体は非常に便利な要素だと思うのだが、ここで、武器商人から新規の武器を購入した時などに既存の武器を仮置き場に置いたまま購入決定をしてしまうと、仮置き場にあった武器はアイテムボックス内に移動するのではなく売却されてしまう。
また、ケースに空きがない状態でハーブなどを新規に入手した場合、新規に入手したハーブをベースに既存のハーブと調合すると、仮置き場側に調合後のハーブが配置されてしまい、そこから手動でケース内に移動させないといけない。この点も微妙に面倒だ。
どちらも慣れてしまえば何ということはない要素なのだが、地味に嫌なポイントとして一応挙げておきたい。
総評
事前の心配も何のその、シリーズファンが納得するだけの作りこみをしてくれた、期待に十分応えた作品を作ってくれたと言える良作である。この後追加コンテンツが出ることを考えればまだまだ楽しめそうで、シリーズファンはマストバイの1本だ。
リメイク前の4はやってないのかな?
リメイク前の4のファンの人なら射的はともかく青コインとかが消されると3REのようにかなり不評になりかねないぐらいにはある程度推しの人がいるので削除が最善とは限らない。
たしかにREシリーズしかやってないならそう思うのもわかるけど、私達原作ファンを大事にしてくれてる制作会社に感謝してます。
射的は私もどうかと思いますけど景品が原作版姿のアイテムで原作ファンへの配慮を感じました。(個人的にはいらない)
コメントありがとうございます。
原作4、バリバリ世代なのでめちゃくちゃやり込みましたので、私も原作ファンを自負しております。
しかし個人的には、それでもう~んと思ってしまいますね。青コインは(地図表記されるので)まだしも貴族人形は特に…。
青コインなどのミニゲームはマヂで無いなと思う派の僕が来ましたよ!
あとなんかリメイク前よりもっさりしてるような気がする上に敵が強くなってるし、リメイク前のやつゲームキューブの体験版からしてめちゃくちゃやり込んだからなのか、新鮮味にかけて、この間ようやく城ステージまで到達したけど今のところちっとも面白くないです!
ゲームを腰を据えてやるような環境を整えれば、没入感が増して違う評価になるかもしれないんですけどね。
今作から青紋章が地図に載るようになったと書いてあるけど、リメイク前から青コインはちゃんと地図に載ってる
むしろ15個から5個に減って、しかも報酬がパニッシャーからスピネルに変わったのも、本来は無くしてもいいけど従来のファン向けのおまけ程度の要素として残しておこうという制作陣の配慮を感じたけどな
コイン以外のおつかいはまあまあめんどくさかったのは同意だけど
コメントありがとうございます。
>リメイク前から青コインはちゃんと地図に載ってる
誤情報失礼いたしました。