レビュー

【78点】【龍が如く7外伝 名を消した男】外伝らしくコンパクトな作りだが満足度は十分!シナリオに読み応えのある良作 評価・レビュー・感想

タイトル(かな) りゅうがごとく7がいでんなをけしたおとこ
ハード PS5,PS4,PC,Xbox Series X|S,Xbox One
発売日 2023年11月9日
点数 78点(良作)
総評 ・外伝だが、シリーズ屈指の名シーンあり
・良質なシナリオ
・ガジェットは少々やり過ぎか?
レビュー執筆時点 2024年3月6日
(Ver.1.012.000)





序文

龍が如くシリーズは、「7」で大きな転換期を迎えた。レジェンド桐生一馬から春日一番への主人公交代、アクションバトルからコマンド式RPGという大幅なバトルシステム変更。これらの舵取りは発売前こそ否定的な意見が目立ったものの、いざプレイしてみれば好意的な意見も多く目にするようになった。筆者も「7」を楽しんだひとりである。

そんな「7」においても引き続き桐生にちゃっかり出番があったワケだが、「大道寺一派との約束で死んだことになっている桐生がなぜ姿を現したのか」「桐生一馬に何があったのか」について、本編中に多くが語られることはなかった。

本作「龍が如く7 名を消した男」は、それらの疑問へのアンサーとして、「7」の時系列での桐生一馬サイドの物語を体験するものである。

あくまで外伝扱いであるため、ナンバリングほどのボリュームはない。とはいえ、ナンバリングに負けず劣らず濃密な内容でとても楽しめた。価格も4,000円~5,000円程度と抑えられていることからコスパは十分であった。

本記事にて、そんな「龍が如く7外伝 名を消した男」の感想・評価を述べ、レビューをしていく。なお、記事内には本作の他、「龍が如く」シリーズ全般のネタバレが含まれている。なお、本レビュー執筆時点では既に次作「8」は発売されているが、本レビュー自体は「8」のプレイ前に書いている点、ご留意いただきたい。
※録画失敗しました…スクショはありません

全体感

外伝と侮るなかれ、シリーズを追いかけている人にとってはマストバイの一作であった。特にシナリオが良い。龍が如くスタジオの作品って、ナンバリングが進むにつれてガバガバ脚本となっていった印象(特に5~6あたりは酷かった記憶)があるのだが、7以降巻き返してきており嬉しい限りである。

無論、粗や違和感を探せばいくらでも出てくるが、桐生自身の言動や性格に「6」のような大きな破綻はなく、良くも悪くも彼らしい面が終始見られたので概ね満足であった。(なお、一部感じた違和感については後述)

とにかく、細かなゲームの内容を語る前にまずはシナリオを評価したい。「7」のサイドストーリーとして見ても、「8」への引きとして見ても秀逸な、良ストーリーであった。

評価点の大きなウェイトを占めるのはたった一つのシーン

シナリオの良さについてもう少し踏み込んで具体的に話すと、結局のところ、筆者(だけでなく、恐らく大多数のプレイヤー)が印象に残っているのは、終盤のあるシーンである。

ネタバレ注意(クリックで展開)

エンディングの、桐生の墓に仕掛けられたカメラに向かって太一と綾子が話しかけるシーンと、そこからの一連の流れが最高であった。龍が如くシリーズには数多くの名シーンがあるが、このシーンは個人的に過去イチの涙無しでは見られないシーンであった。(それまでの暫定1位は「0」のとあるシーン)いやあ、反則でしょあれは。もちろん良い意味で。

タブレットに桐生の涙がポタポタと落ちてくる演出が素晴らしい。それから何といっても声優、黒田氏の演技。息を詰まらせながら号泣する演技が上手すぎる。

「実はみんな…おじさんが死んだなんて信じていなかったりする」
「見ろよ、4歳ってのはもう字が書けんのか」

う~ん、泣ける。

周囲の安全のために自ら姿を消した。自分で決めたことだと理解しているものの、寂しい。
子どもたちの成長は嬉しいが、それを傍で見られない辛さ。そうした複雑な感情が完璧に表現される、シリーズ屈指の名シーンであった。

他にも良いシーンが盛りだくさんであったのだが、やはり印象的なのは上記であった。

キャラクターの魅力もシリーズ上位

本作は外伝扱いのため、登場人物の数はさほど多くない。しかし、どの登場人物もキャラが立っており魅力十分だった。

花輪

大道寺一派の人間で、桐生の管理者。基本的には慣れ合わず一線を引く立場であるが、桐生の人たらし能力にやられ、なんやかんやで終盤ではだいぶ桐生に肩入れしてくれていた。桐生とは助けたり助けられたり。本作の相棒枠?ヒロイン枠?見せ場も多くてステキ。

赤目

主要人物の中では唯一の女性キャラ。シナリオ上でのヒロインというわけではないが、ファーストサマーウイカ氏の演技がバッチリハマっており、全体的にシリアスな雰囲気のシナリオが、彼女のおかげでいい感じに緊張感が緩められていた。蒼天堀の情報屋 兼 治安維持の役割を担っているようだが、若い女性が単独でそんなことをしていて身の安全は大丈夫なのだろうか。浄龍(桐生)がいない時とか特に。

鶴野

近江連合・渡瀬組の若頭だが、イマイチ風格がない気がするのは気のせいだろうか。でもすごく良いキャラでした。本作の中で一番好きかも。とあるキャラに「雑魚は引っ込んでろ」と言われたのがちょっと気の毒で笑ってしまった。

獅子堂

ところどころでお面を被って変装するのはいいのだが、ガタイの良さと服装と入れ墨のせいで1ミリも隠しきれていない。でも作中人物によるツッコミは無し。終盤、彼の見せ場が多数あり、龍が如くシリーズの「ザ・極道」って感じが良かった。

西谷(三代目)

「0」で登場した鬼仁会の西谷誉の名が、その後も代々鬼仁会トップの称号として受け継がれているという設定はシリーズファンがニヤリと出来て良かった。肝心のキャラの方は…なんだか既視感が凄かったです。シリーズに似たような人いませんでしたっけ。

登場人物の少なさ故か、一人一人にキッチリと見せ場が用意されており良かった。一部キャラは「8」でも登場してくれたりしないだろうか。

バトル:スタイル「エージェント」はやり過ぎなのか?

本作は「7」のようなコマンド式バトルではなく、従前のようなアクションバトルを採用している。バトルスタイルは「応龍」と「エージェント」の2種類。うち、後者の「エージェント」はガジェットと呼ばれる装備を活用することで多彩な動きが可能な、本作が初出のバトルスタイルだ。

ガジェットはこれまでの戦闘の常識を覆すようなものばかりで、ワイヤーを出して敵を拘束したり(ほぼス〇イダーマン)、タバコ型爆弾を放り投げたり、ドローンを召喚して敵に突撃させたり、果ては靴からジェット噴射をして高速でスライド移動したりとやりたい放題である。

これらガジェット使用時の絵面があまりにもシュール…というか半分お笑いみたいな感じとなっており、発売前は「萎える」「雰囲気台無し」といった声が多く見られた。筆者も正直そのように思っていた。

ただ、実際にプレイをすると意外と気にならず、すんなり受け入れられた。もともとヒートアクションでドスを刺したり銃を撃ったりする癖に「誓って殺しはやってねえ!」などと言う世界観なので、気づかずプレイヤーの懐が深くなっているのかもしれない。

むしろ気になったのは絵面ではなく、使い勝手の方だ。ガジェットが少々強すぎるのではと感じた。

  • 「蜘蛛(ワイヤー)」は敵を絡めとった上で、それを振り回して周囲の敵を一掃できるので、集団戦で無類の強さを誇る。強化することでワイヤーの本数が増え、手がつけられなくなる。
  • 「蜂(ドローン)」は1:1の戦闘に強い。蛇と組み合わせてヒット&アウェイ戦法をとることで、ほとんどの敵を完封できる。
  • 「蛇(ジェット)」は機動力が格段に上がる&移動に攻撃判定がつくため、敵から距離をとることが容易となる。蛇+蜘蛛、蛇+蜂などで大体の戦闘は事足りてしまう。

新要素なので強くしたいのはわかるが、もう少しバランスを考えても良かったかもしれない。このせいで、ただでさえ良くない絵面がもっと悪くなる。筆者は前述の通りあまり気にならなかったタイプだが、気になる人にとってはなかなか苦痛だっただろう。

サイドコンテンツ

サイドコンテンツについては、主に下記が印象的だった。

  • キャバクラ
    「生キャバ」という名称で、オーディションで勝ち抜いた方々を実写で起用している。キャストの方々のチョイスと演技については好みがあるので深くは言及しない。実写キャバについては、当初は「まあサイドコンテンツだし新たな挑戦もいいよね」と好意的に受け止めていたが、実際にプレイしてみると、思ったより受け入れられませんでした。なんだろう、ビジネス臭が強すぎるのがダメなのかも。ゲームの背後に浮かぶ制作側の風景が浮かんできてしまって、ゲームを楽しんでいたところに現実に引き戻される感じがして、ネガティブな印象を受けた。
  • 闘技場
    仲間を集めて多対多の戦闘を行う「ZIGOKU TEAM RUMBLE」が面白かった。ジャッジアイズシリーズのキャラクターがゲスト参戦するのも良い。
  • 赤目ネットワーク
    いわゆるサイドクエストに相当する「依頼」と、街中の困っている人を助ける外回りの2種類がある。外回りは完全なお使いのため面倒であるが、前者をこなしていくだけで必要な赤目ポイントは概ね確保できるため、それほど苦にはならなかった。

その他気になった点

桐生の生存を本当に隠す気があるのか

桐生の死の偽装について、大道寺・桐生共に本気度が感じられない。

大道寺一派としては、

  • 桐生に整形もさせない、入れ墨消させない、何なら髪型すら変えさせない
  • 「立っているだけで構わない」程度の人数合わせの任務に出動させる
    (案の定、近江に正体が即バレし、ここから話が動いていく)

など、本気で隠す気があるのか疑問に思わずにはいられない立ち回りを見せる。

また、桐生自身も

  • 任務帰りにバーで酒を飲む
  • 出会って間もない極道(しかも敵サイド)の人間を自分の手で処分することをためらい(それどころか逃がし)、沖縄の子供たちを危険に晒す

など、自分から「死んでやる」と啖呵を切った割にはイマイチ覚悟に欠ける描写が目立つ。

最終的にそれらが(主人公補正で)上手くまわって結果オーライとなるものの、ひとつ間違えれば最悪の結果になるような選択もとっており、自覚と緊張感に欠けるように感じた。

まあ、そういった弱さや人間臭さも含めて桐生らしいといえば桐生らしいのだが、いずれにせよ大道寺側のリスク管理能力の低さが目立つと感じた。

スマホ(タクシー)への導線の悪さ

これは本作に限ったことではないのだが、ファストトラベル(タクシー)への導線が悪い。
メニュー→スマートフォン→タクシーと3ステップ踏む必要があるので、少々面倒。
もう普通のファストトラベル扱いでマップからいけていいんじゃないかな。または、ショートカットでワンボタンでスマホへアクセスできるようにしてほしい。今後の実装、頼みます。

総評

とにかくラストシーンが印象的な作品であるが、それ以外にも「熱さ」や「敵サイドの魅力」もしっかり作り込まれており、外伝ではあるものの龍が如くシリーズの抑えるべきポイントをきっちりと抑えてくれている良作。この後ノータイムで「8」の発売に繋げてくれており、プレイするのが今から楽しみでならない。

ジュドーさん
ジュドーさん
「7」をプレイした人、「8」をプレイ予定の人はマストバイ。当たりはずれの多いシリーズの中で、キャラ、シナリオ共に満足度の高い良作だ!




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