タイトル(かな) | すーぱーだんがんろんぱ2 さよならぜつぼうがくえん |
ハード | PSP,Vita,PC,PS4,スマホ,switch |
発売日 | 2012年7月26日 |
点数 | 80点(ぜひおすすめしたい) |
総評 | ・前作ファンをも唸らせる怒涛の展開 ・キャラクターの魅力度は前作に勝るとも劣らない ・バグやフリーズに気を付けたい |
序文
スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園(以下「2」と表記)は、2012年にスパイク・チュンソフトより発売されたゲームで、「ダンガンロンパ」シリーズナンバリングの第二作目である。
完成度の高かった前作を超えることができるか?とプレイ前は心配であったが、それは杞憂であった。前作の良さはそのまま踏襲しつつも、要所に正統進化しており見事な出来であった。本レビューでその面白さと、感じた問題点をしっかりと伝えていく。
なお前作と同様、本レビューではゲーム本編のみをその評価対象としており、クリア後の追加要素である「アイランドモード」「魔法少女ミラクルモノミ」「ifストーリー」はレビュー対象としていない。
またゲームの性質上ネタバレが致命的であるので、十分ご注意いただきたい。核心的なネタバレをしないよう気を付けて執筆しているが、序盤およびゲームの世界観に関わるネタバレは一部含まれているのでご留意いただきたい。
例によって、特に強調したい要素には★マークを付している。
また筆者のプレイ環境はSwitch版「トリロジーパック」である。
良い点
★シナリオと登場人物は前作以上! 期待通りの出来
いやあ、やってくれたスパイクチュンソフト。前作の時点でも非常に満足度の高かった「シナリオ」と「登場人物」は、本作で更に進化。キッチリと仕上げている。
特筆すべきは、前作をプレイしたプレイヤーへの、良い意味での「裏切り」要素が豊富なことだ。前作をプレイしているからこそ騙される、そんな展開が随所に散りばめられており、「ハイハイどうせこうなるんでしょ」という冷めた予想を見事に裏切ってくれる。
また、こういったキャラ要素の強いゲームの続編にありがちな「前作に比べてキャラが魅力的でなくなった」ということが一切なく、本作のキャラクターも魅力十分。前作に勝るとも劣らない。
希望ヶ峰学園の生徒たち16人は全員がかなり濃いキャラ付けがされているから、プレイヤー視点では全員が必要不可欠。したがって、「この人死にそうだな」というのがまったく想像つかないし、自分の好きなキャラクターが死亡してしまったときの喪失感たるや前作以上である。相も変わらずプレイヤーの心を折ることに秀でたシナリオには感嘆する。
導入からあっと驚くような展開が待ち受けており、プレイヤーは一気に本作の世界に引きこまれる。他のゲームのレビューでも筆者が主張しているように、娯楽が飽和している現代においては、序盤でいかにプレイヤーをゲームの世界に夢中にさせられるかが非常に重要で、本作はその要請に見事に応えてくれている。
そして終盤、5章以降。プレイヤーに絶望をたたき付け、その上で熱さもしっかりと提供するというジェットコースターのごとき怒涛の展開がすさまじく、感情のアップダウンに振り回されることだろう。クリア後もしばらくの間引きずるタイプのゲームなので、心してプレイしてほしい。
★事件の謎は高難易度化。より驚きのある展開に
前作においては、ゲーム後半に発生する事件ほど、プレイヤーサイドの「慣れ」により早い段階で事件の大枠を掴みやすくなっており、学級裁判が形骸化しがちという問題点があった。しかしながら本作における後半の事件は、かなり一筋縄ではいかない(というか、学級裁判中に初めて明らかになる謎が多い)ので、しっかりと尻上がり的な面白さを提供してくれる。
今作は「島」!より広大となった舞台
前作同様、本作も生徒たちがクローズドサークルでのコロシアイを強要される。しかし学園の校舎が舞台であった前作とは異なり、本作は「コロシアイ修学旅行」という名のもと、南国の島「ジャバウォック島」を舞台としている。ジャバウォック島は、中央島を起点に5つの島が橋で繋がる形で構成されており、チャプターが進むごとに新たな島へ行くことができるようになる。各島ごとにがらっと景観が異なり、リゾート地、荒廃した街並み、遊園地など多様なシチュエーションが存在することから、登場人物たちの新鮮なリアクションを楽しむことができる点が特徴だ。
前作の行動範囲は希望ヶ峰学園内のみであり、シナリオが進んでも景色そのものは代り映えがなく閉塞感があった(それゆえ、クローズドサークル感が増し緊張感が増すのだが)ことを考えれば、広々とした今作の舞台はプレイヤーのマンネリを防ぐ役割があるといえよう。
★学級裁判の新要素
本作の肝である学級裁判にも様々な要素が追加され、進化している。
以下、特に前作からの変更要素が大きいものを中心に見ていく。
ノンストップ議論
学級裁判のもっともオーソドックスな形で、基本的に前作同様の作りである。ただ、本作では誰かの矛盾を撃ち抜くだけでなく、誰かの意見に「賛同」し後押しすることもできる点が特徴だ。
反論ショーダウン
議論の中で、他キャラクターが主人公に対し「反論」してくるという追加要素。反論された場合、そのキャラと刀での斬り合いを模した議論をし、相手のウィークポイントを言刃(コトノハ)で切ることにより論破をすることができる。
これにより、前作に比べてより議論の双方向性が増し、相手の矛盾を指摘するだけでなく、相手から指摘されることもあるという「議論らしさ」がUPし面白味を増している。
閃きアナグラム改
前作の閃きアナグラムによりゲーム性を追加したもの。流れてくる文字を順番通りに選択していくという基本的な性質は変わらないが、流れてくる文字同士が触れ合うと爆発するなどの要素が追加されている。
ロジカルダイブ
学級裁判において、もっともアクション要素が強い。
レースゲームのような操作感で思考の海を深くまで潜っていき、正しい選択肢の道を選び正解にたどり着くゲーム。
旧作ファイナルファンタジー7のゴールドソーサーのスノボミニゲームにかなり近く、コースアウトしたり障害物に当たったりするとタイムロスをする仕組みとなっている。
アクション要素が強いので難しい人にとっては難しいかもしれないが、変に色気を出して加速せずにブレーキを駆使すれば問題なくクリアでき、それなりに面白い。
PTA(パニックトークアクション)
前作のマシンガントークバトルに近しい要素。前作とは異なり、ボタンを押しっぱなしにして発言をロックオンした上で、タイミングよく離すというように操作が変更されている。
以上、学級裁判における追加要素は、概ね学級裁判をより楽しむためのものとして好意的にみられるが、一部要素については前作の仕様の方が遊びやすかったりするものもあった。その点は、「問題点」の項にて後述する。
その他、細かな良い点
- プレゼント用「ガチャ」のテンポがかなり良くなっている。前作はかなりテンポが悪く、メダルを使う作業がかなり苦痛であったが、改善されている。
- マップ画面が見やすくなっており、ファストトラベルで目的のキャラクターを探しやすくなった。
- モノクマメダルの入手法の変化。前作は、学級裁判で手に入る他は、ゲーム内の各調査ポイントを調べることでまれに1枚ずつ手に入るという仕様であった。このため、ストーリー進行上は調べる必要がないことが分かり切っているポイントもメダルのために片っ端から調べないといけない点がかなり面倒であった。
しかし本作は、フィールドに点在する「隠れモノクマ」を調べることで10枚ずつ手に入るという仕様になっており、これにより前作のような面倒さが無くなると共に、隠れモノクマを探す楽しみが増えた。
問題点
★ぶっちゃけコナンにしか聞こえない
あまりこういうことは言いたくないのだが…。主人公である日向創(ひなたはじめ)の声優は国民的アニメ「名探偵コナン」のコナン役、高山みなみ氏であるのだが、どう聞いてもコナンにしか聞こえず、正直かなりゲームに没入し辛い。
強く断っておくが、決して高山氏を否定する意図はない。高山氏の名演は見事で、キャラクターの喜怒哀楽を見事に演じ切っている。
ただ、コナンにしか聞こえない。これはもう仕方ない。推理ゲームの主人公にコナンの声優を当てているので、もうどう聞いてもそうなってしまう。
特に、本作の主人公 日向創は身長179cmとなかなかの長身で、前作の主人公が身長160cmとかなり小柄な少年風情とした外見だったことを考えれば、より男らしい雰囲気となっていることから(一人称も前作の主人公は「僕」に対し、本作の主人公は「俺」である)、そんな彼が少年の如き高い声で「それは違うぞ!」と叫ぶ姿にはかなりの違和感がある。
もう一度言うが、声優さんに罪は全くない。割り当てられた仕事を全力で演じているのだから。もし仮に問題があるとしたら、「割り当てた側」だ。
実際、この「ボイス問題」で筆者は明確にゲームの世界に没入し辛くなってしまったという事実があるので、主観レビューとしてはマイナスポイントと言わざるを得ない。
異常に遅いカメラ速度
フリー移動時の方向転換をする際のカメラ速度が異常に遅い。設定で変更できず、方向転換の際にかなりストレスを感じる。これはSwitch版特有の現象だろうか?あまりの遅さに驚愕するレベルなのだが、調べたところあまり同じような意見は見られなかったのだが…不思議である。
★フリーズ・バグ・誤植
本作、それなりにバグが多いゲームのようである。筆者の環境でも、Chapter4の某シーンで画面が真っ暗になり、移動ができなくなるというバグに直面してしまった。ストーリー進行上、ファストトラベルもできない環境であったためリセットする他なく、かなりの巻き戻りをすることとなった。また、これが原因であるかは不明であるが、このバグを境にメニュー開閉時などのロード時間が異様に長くなり、画面切り替えの度に数秒の待ち時間が挟まれることとなった。
本作、このようなフリーズやバグによる進行不能は筆者以外にも多数のユーザーから報告が上がっており、最新のSwitch版においてもそういったバグが修正されることなく純移植されているという事実は非常に残念である。
また、細かなところであるがテキストの誤植もそこそこあり、本作のようなテキストがゲーム体験の大半を占めるゲームだからこそ、こうした細かいところはしっかり詰めてほしかった。
いくつかの新要素に関する不満
- 中央島の左右が分かりづらい。中央島は、各島を繋ぐ役割のほか、モノクマロックやジャバウォック公園などストーリー島何度も訪れる場所であるのだが、目的地へたどり着くために現在地から左に行けばよいのか右にいけば良いのかが感覚的に分かりづらく、「右に行けば一瞬だったのに左にいってしまったので、島を一周することになってしまった」というようなケースが頻発する。中央島については、たとえば立て札のようなものを置くなど、もう少しガイドが欲しい。
- 「レベル」「ペット育成」といった新要素はあまり有効に機能していない。レベルは学級裁判時の発言力や精神力、スキルセット数などのステータスに影響するものだが、わざわざ意識的に上げるようなものでもなく、スキルセット上限数が上がっても、普通のプレイでは上限に達することなく手持ちのスキルが全てセットできてしまったり、など、わざわざレベルという概念を持ち出す程のものでもない。
ペット育成はいわゆる「たまごっち」的なオマケ要素なのだが、マトモに育てようとするとフンの始末などをかなり頻繁にする必要があり、そこそこ面倒。まあ、やりたくなければ放置すればよいだけであるが…。 - 「おしおき」がマイルド化。前作と比べて残酷描写が減り、精神的に救いのある描写などが目立った。「2」になったことで、より幅広いプレイヤー層にリーチせざるを得なくなったのだろうか。個人的には「1」のような、無慈悲に訪れる救いの無さが好きであったため、少々残念であった。
学級裁判のゲーム性について
これまで述べてきた通り、本作はしっかりと前作の魅力を引き継いだうえで正統進化している。これは学級裁判についても同様である。しかしながら、個人的には学級裁判におけるいくつかの要素は、これ本当に必要か?と疑問を投げかけたくなるようなものがある。
(というか、これは「1」から思っていたことであり、それが「2」でさらに表面化した印象である)
なお、この項については特に主観要素が強いことをお断りしておく。
- 閃きアナグラム改が面白くない。1の頃から思っていたが、2で更にそれが強くなった。特定の文字列を作るために、流れてくる文字を順番に選択していくというのが基本のゲーム性であるが、最初の1文字に入れたい文字が流れてくるまでにやたら時間がかかるし、推理の爽快感があるわけでもなく、反論ショーダウンやノンストップ議論のようなドラマ性があるわけでもなく、作業感がとても強い。
- PTA(パニックトークアクション)の仕様。前作のマシンガントークバトルと似てはいるものの、「ボタンを押しっぱなしにして離す」という操作感に違和感がありなかなか慣れなかった。正直、やってることはマシンガントークバトルと同じなので、無理に変更しようとせず前作のままで良かったのでは。リズムゲーとしてのテンポ感も、マシンガントークバトルの方が爽快感を感じることが出来、好みであった。
- 前作同様であるが、ノンストップ議論中に閲覧できる証拠一覧は、「現在弾丸として込められているものだけ」表示するメニューが欲しい。現在の議論に関係ない証拠もすべて表示されてしまうため、推理の際に邪魔である。
ところで、学級裁判を構成する各ミニゲームは大きく分けて2分類ある。
1つはノンストップ議論やPTA、反論ショーダウンのような「他者とのコミュニケーションが含まれている」もの、もう1つはロジカルダイブや閃きアナグラムのような「主人公の脳内で思考するもの」である。
ここで考えてみれば、後者のような「主人公の脳内で思考するもの」のゲーム性は、ロジカルダイブも閃きアナグラムもプレイヤーの「先読みと、動くものをとらえる力」を問うものである。スピード感もルールも異なるミニゲームであるにも関わらず、実感として同じようなことをしている気分になる。なんというか、全体的に忙しいのだ。
ノンストップ議論やPTAのような他者とのコミュニケーションを主軸とするものについては、リアルタイム感を演出するために多少の忙しさがあって然るべきだと思うが、「脳内で思考する系」については、単に忙しくするのではなく、純粋に思考を深掘りしていく感を出すゲーム性にすることでメリハリがつき、学級裁判全体に緩急が生まれより面白くなるのではと感じた。ジャンルが「ハイスピード推理アクション」だからといって、学級裁判全体において無理に「ハイスピード」に縛られる必要はないのだ。
ソニア・ネヴァーマインド
登場人物のひとり、「超高校級の王女」ソニア・ネヴァーマインドの作中言動に違和感があり、また不快感が強い。特に、同じく登場人物の一人である左右田への扱いが度を越えて酷い。
総評
制作陣の前作を超えるための「冒険」は成功したといえよう。前作をプレイしたファンをもうならせる熱く驚かせる展開、魅力的なキャラクター。マンネリ化を防ぐ工夫が随所にみられ、ナンバリングタイトルの「2」として非常に満足度の高い出来であった。
プレイの際には、前作をプレイした上で本作をプレイすることを強くおススメする。
「1」がハマった人にとっては間違いなくハマる、文句なしの良作だ。
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